★ピロリ菌の検査、除菌治療
でお悩みの方へ。
最近よく耳にするし、気になるけど、
検査や治療がどんなものなのか、
どこで受けられるのかわからない.
とお悩みの方へ。
今回は「ピロリ菌の検査、治療」について説明いたします。
■ピロリ菌 について
正式には ヘリコバクター・ピロリ菌 といいます。
この細菌のスゴイところは、ほとんどの細菌が死滅してしまう胃酸だらけの胃内で、自らその胃酸を中和することで生きていくことができる・・・ところです。
しかも、
胃酸分泌に影響を与えて胃炎・胃/十二指腸潰瘍を起こしたり、
さらに遺伝子にも影響を与えて、発がんを引き起こします!!
つまり、「胃癌の発生機序」 は
ピロリ菌感染 ⇒ 萎縮性胃炎 ⇒ 胃がんの発がん
となります。
学会によると、
99%以上の胃癌はピロリ菌に関連して発生する!
とされています。
※逆にいえば、
ピロリ菌がいなければ、胃癌の発生は1%未満!!
だということになります。
日本人の約半数がピロリ菌に感染しているとされ、
高齢者ほど高率(年齢-10%)だといわれています。
(※詳細はコチラ ⇒ 胃癌の成因)
■ピロリ菌感染(萎縮性胃炎)の症状
ときに、
胃痛・胃もたれ・おなかの張り・食欲不振・・・
などが出現する場合もありますが、
実は、無症状のことも少なくありません。
■ピロリ菌の検査
①尿素呼気テスト(薬を飲んで息を検査)
②ピロリ菌抗体(血液検査)
③胃粘膜の採取による迅速ウレアーゼ検査(胃カメラ時)
④尿中/便中抗原
⑤鏡検(採取した胃粘膜を直接、顕微鏡で見る)
注意点として、 ★これらの検査は6ヶ月以内に胃カメラを受けていないと、 保険診療の適応となりません。(後述する除菌治療も)
ですので、最も効率的なのは、
胃カメラ時に③で検査して、除菌治療して、菌が消えたかどうかを①で検査する、という流れになります(実際、当院でもこの方法です)。
※②は採血で検査可能ですが、菌が消えたかどうかの確認までに半年以上かかるため、あまり効率的ではありません。
■ピロリ菌の治療(除菌治療)
ただし、1回目の治療では約90%の成功率ですので、10人に1人は除菌不成功となります。
その場合は、はじめの薬のうち、1種類を変えて、再度、1週間飲んで頂きます(成功率97-98%ほど)。
それも除菌できない数%の方は・・・
残念ながら保険適応外で3回目の治療をするかどうか・・・となります。
(実際には高額となるため、行うことはまれですが、当院でも可能です)
■ピロリ菌の除菌成功後 について
ここは大変重要で、学会でも話題になっている点です!!
「ピロリ菌が消えたあとは胃ガンは発生しないか?」 ということですが・・・
残念ながら・・・
答えは 「NO」 です!!
なぜなら、ピロリ菌が感染してから、除菌されるまでの間に、
遺伝子レベルで悪さをするため、それが一生残るのです。
ですから、
早期に除菌治療した方が、より効果的に、その後の胃がん発生率を下げること(予防)ができ、
かつ、
除菌後は必ず定期的に胃カメラを続けていく必要があります!
(※逆に除菌した人は胃癌ハイリスク群ということもできます)
実は、除菌治療が始まった当初は、
除菌治療後は胃ガン発生がゼロになると考えられていたため、
当時、除菌後から全く胃カメラを受けなくなった方の胃ガンが、
近年たくさん見つかり始ており、大きな問題になっています。
ここは重要なので繰り返しになりますが、
★除菌成功後は毎年の胃カメラ検査が必要です!!
当院は内視鏡検査
(胃カメラ・大腸カメラ)
の専門施設であり、
私はヘリコバクター学会のピロリ菌感染症認定医です。
当院では「胃ガン予防」として、
ピロリ菌の除菌治療に力を入れています!
経験豊富なスタッフが、
最新の医療機器・設備をそろえて、
あなたをお待ちしています!